
カーセンサー認定とは何ぞや?
goo認定とは何がどう違うの?
結局、認定が付いてる自動車は得なの?別になくていいものなの?
カーセンサーとかgooの雑誌をパラパラと眺めていると『カーセンサー認定車』とか『goo認定車』とか書いてありますよね?
だいたい5台に1台くらいが認定車で、他の4台くらいは認定車のマークがついていないです。
もちろん、認定車とアピールしているのだから、それだけ安心感がアップするのだろうという認識は誰もが持つことだと思います。
ですが、カーセンサー認定とgoo認定はどの程度安心感が増すものなのか?残り8割の車は認定を取っていない理由などを解説していきたいと思います。
カーセンサー認定とは何ぞや?
カーセンサー認定はAISという車両検査専門会社が品質評価をしていて、『車両品質評価書』というものを発行してもらうと貰えます。
AISという会社は完全な第三者機関なので、公正な評価がされているのがポイントです。
昔ながらの中古車販売業者でありがちだった『メーターの巻き直し』とかやったら一発でバレます。
そういう、不当に低品質の自動車を高品質の自動車に見せかける行為がしにくくなるんですね。
他にも、事故車や水没車、修理歴の詐称などをできない(プロにチェックされるから)ので、業者にトンデモナイ車を掴まされるリスクが減るのは確かです。
goo認定とは?
一方、goo認定の方は、山本美月さんがのCMをしているテレビでよく見かけるヤツですね。
goo認定で検査を実施しているのはJAAAというgooの子会社です。
評価基準という意味ではgoo認定よりもカーセンサー認定の方が厳しいです。
つまり、カーセンサー認定を受けている方が、goo認定を受けている自動車よりも安心感としては上だということです。
JAAAという会社がgooの子会社だから信頼できないという話ではなく、AISの評価が中古車販売業者からしたら『その程度の傷で、そんな低評価をつけないでくれ』というくらい厳しいという話です。
逆に、JAAAがいい評価を与えている自動車の中には、悪質なことで有名な業者が売っている自動車も紛れ込んでいるみたいです。
どちらも第三者機関に評価してもらった証は持っているわけですが、カーセンサー認定の方が、中古車を評価してもらう側(中古車販売業者)からしてみれば辛い評価になりがちだということだけ覚えておきましょう。
認定がない=誠意がない会社というわけではない
この手の認定の有無でありがちな宣伝として『ウチの車は認定を受けているので他の業者よりも信頼度が高いですよ。自信がないからそういう認定とか取れないんじゃないんですか?』というものです。
確かに、カーセンサー認定だったりgoo認定はあるに越したことはないのですが、認定がない車を売っている業者=誠意がない業者という図式は成り立ちません。
なぜなら、中古車販売は小さな会社であるほど薄利多売である傾向が強いからです。
仮に、中古車オークションでそこそこの出費をして商品(中古車)を仕入れてきたとします。
オークションで仕入れてきた状態そのままだと売れないので業者は整備をします。
整備をした上で、どれだけの利ザヤを計算できるか考えて商売してるのが中古車販売業者です。
元値(オークションで支払ったお金)がそこそこかかってますし、『この部分以外は優秀』という中古車も結構あるんですね。
第三者機関の認定はある意味標準化されてしまいますので、『外装にこすった跡がある』『車内のシートにタバコの焦げ跡がある』とかのマイナスの条件があると、総合的にも低い評価がされやすい傾向があります。
欲しい人からしたら55万で売れるポテンシャルを持った車を40万で仕入れたとします。それが35万とかで〇〇認定ではジャッジされます。(さらに、鑑定料2万必要)。。それはジャッジを受けない方が得ですよね???普通に15万の浮きが手に入るまで待つ方が業者にとっては得策です。
認定という関門を優秀な成績で通ろうと思うと、仕入れ値(オークションで落札する金額)も高い、キレイな車になりがちなんですね。
中古車オークションにかけられる車は目利きができるこそ高額で売りさばける(利益を出せる)ものもあるので、〇〇認定というのは利用しない業者も多いのです。
〇〇認定という関門を通れる中古車はカーセンサー認定とかgoo認定とか使って売った方が業者としては信頼度的な意味ではプラスになります。
でも、そういう認定を受けるのってタダじゃないんですよね。
1台あたり数千円~2万円程が認定料金として必要になります。
薄利多売でやってる小規模な中古車業者にとって、この2万円という金額は大きいですし、認定に向いてない中古車もそれなりにありますので、8割くらいの中古車は認定なしで販売されています。
認定があることで信頼できる範囲。できない範囲
認定という言葉を聞くと、その車体について全肯定されたようなイメージを受けると思います。

しかし、限られた時間の中で必要とされる項目だけをチャックしている関係上、カーセンサー認定を受けていても対処しきれない部分はあります。
例えば、車体の底の部分から見ると分かる『車体の底部分にある、その中古車が価値を下げる要因』は分かりません。
ジャッキアップして下から覗き込むという手順が存在しないので、その作業をしたら分かる瑕疵に関しては見つけられません。
プロとは言っても、あらかじめ用意されたチェック項目をチェックしていっているだけなので、チェック項目以外の項目から発生するマイナス要因は基本的には分かりません。
(もちろん、長年の勘としてアヤシイと思えば、1工程増えてでもチェックする熟練のチェック者はいると思います。ただ、ルールとしてはチェックしなくてもいい項目です)
また、走行テストなどはしていませんので、AISのマニュアルに記載されているチェック事項以外のところから問題が発生したとしても、『その点はチェックリストにはなかった』という話になります。
そのあたりで、信頼感の温度差が中古車購入者と中古車販売者との間であると思いますね。
カーセンサー認定って何?goo認定と比較してみた。まとめ
カーセンサー認定も、goo認定もある程度の信頼感のある評価基準だと言えます。
カーセンサー認定とgoo認定を比較してみるとカーセンサー認定の方が評価が辛くなりがちなので、消費者としては信頼感が高いといえます。
JAAAは完全な第三者機関とはいえないかもしれませんが、中古車販売業者が勝手につけた評価以外の評価を「目利き無し」で見れることは大きなメリットです。
しかし、中古車販売業者の側としても、〇〇認定を貰うためにはそれなりの出費を必要としますし、利益を薄めてまで辛い評価を貰いに行くというのも業者としては損するだけです。
ですので、〇〇認定を受けていない業者=信頼できない業者という図式にはなりません。
ただ、消費者の立場からすれば似たような金額でプリウスが販売されていたとします。
一方はカーセンサー認定あり、もう一方は全く認定無し。
そういう状況であればカーセンサー認定のある方を購入した方が『いい買い物をした』と思う確率が上がるとは思います。
その差額と、安心感とを天秤にかけてどっちが重いかというお話です。
今回はカーセンサーとgooの認定制度を比較していきましたが、多分、両方の認定の信頼度の差とかは分からずに『なんかよく分からないけど、認定されてるってことは安心なんでしょ?』くらいにしか認識してなかった人ばかりだと思います。
中古車売買に関する、様々な制度に関する知識は持っておくに越したことはないので、今後も業者側が語りたがらない情報を発信していければなと思います。